〜白眉の如き知略あるならば、汝は恐れることはあるまい。〜

恋愛忠義伝

恋愛がテーマな妄想劇。お好きな方は“ぜひ”読んでくださいっ!(笑)
+本編の始まり始まり〜♪+
1      〜恋愛忠義伝〜 夏侯惇×王異編 その1
 
ジャキーン!
夏侯惇:「この熱さ、たまらねぇ!」
ジャキーン、ジャキーン!
夏侯惇:「この程度じゃ左目の疼きが収まらねぇ!」
夏侯淵:「さすがだな、兄者…その勇猛ぶり、誰しもが惹かれるよ」
曹操:「よし、夏侯惇!一気に敵を崩せ!」
夏侯惇:「任せときな、孟徳!今だ!」
敵兵:「ひっ、か、夏侯惇だぁっ!?」
夏侯惇:「はーっはっはっは!どんなもんよぉっ!」
 
夏侯惇:「…ん?あれは…」
王異:「う…ん…」
夏侯惇:「民か?にしちゃ、ずいぶんと豪奢な格好だが…」
王異:「…ここで、負けるわけには…」
夏侯惇:「……」
バカラッ、バカラッ…
夏侯惇:「おい、そこのおまえさんよぉ」
王異:「!な、何者!?」
夏侯惇:「何者って、その〜、なんだ。一応、魏軍の将だが」
王異:「…魏軍?それは、あの曹孟徳が率いているという…」
夏侯惇:「お、よく知ってるじゃねぇか。ま、その曹孟徳が率いてる軍勢の将軍てわけだ」
王異:「そう…なら、敵というわけではないわね」
夏侯惇:「敵?おいおい、ずいぶんな感じじゃねぇか。何か、訳ありかい?」
王異:「わ、訳と言うか、それは…」
夏侯惇:「ま、女一人でこんなところに置き去りになんかできねぇな。どれ、よっと…」
王異:「こ、こら!?私を肩に担ぐなど…!」
夏侯惇:「まぁまぁ、そう固いこと言うなよ。こっちだって必死なんだからよ」
王異:「そ、そういう問題じゃ…!」
夏侯惇:「ま、女抱えたまま戦うわけにはいかねぇな。どれ、一度自城まで退くか」
王異:「こ、こら、放せ…!」
 
敵兵A:「ん…か、夏侯惇だ、夏侯惇がいるぞぉっ!」
敵兵B:「あれは…誰か抱えているぞ?」
敵将:「む…皆のもの、今が好機だ!夏侯惇を討ち取れぃ!」
夏侯惇:「やれやれ、人の弱みにつけこむ以外に、討ち取れないってのか?全く…」
王異:「そんなことを言っている場合ではないだろ!?私を降ろして、早く自分だけでも…」
夏侯惇:「へっ、しゃらくせぇっ!この程度の力で、この俺が止まるかよ!」
ジャキーン、ジャキーン!
夏侯惇:「今だ!」
敵兵A:「せ、隻眼の睨み…ひ、ひぃっ!?」
敵将:「ば、馬鹿者、逃げる奴があるか!?えぇい、叩き潰せ!」
夏侯惇:「無駄だよ、おめぇにはな。じゃあな!」
王異:「…す、すごい…」
 
夏侯惇:「…さてと、しばらくここで待ってな。まだ、敵を叩かなきゃいけないからよ」
王異:「で、でも…」
夏侯淵:「…兄者」
夏侯惇:「おう、淵。どうした?」
夏侯淵:「どうしたって、急に戻ってきたから心配になって駆けつけたんだよ」
夏侯惇:「ははは、わりぃな。ちっと、個人的なことだったからよ」
夏侯淵:「個人的って…ん、その人は?」
王異:「……」
夏侯惇:「おぅ、気にするな」
夏侯淵:「き、気にするなって、兄者…?」
夏侯惇:「俺が気にするなって言ったら、気にしなくていいんだよ。それよりほら、敵城はまだ崩してないだろ?さっさとケリつけに行くぞ」
夏侯淵:「あ、兄者、待ってくれよ…!」
王異:「…気を使って、くれた…のかな?」
 
 
公開日:
2月12日 日曜日
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Last updated: 2006/4/5
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