曹操：「ふぅ…何とか勝ったか」
夏侯惇：「悪いな、孟徳。色々と迷惑かけたみたいだな」
曹操：「心配したぞ？敵陣に飛び込んで、間もないうちに戻ってきたんだからな」
夏侯惇：「ははは、いや、悪い、悪い」
郭嘉：「謝って事が済むのであれば、それでいいのですがね」
夏侯惇：「なんでぇ、郭嘉。そう渋い顔するなよ」
郭嘉：「私はあなたのことを心配していたのですよ。こちらの策も何も完全に無視して行動するのですから、こっちの身にもなってもらいたいものですね」
夏侯惇：「いや、だから、悪かったって言ってるじゃねぇか…」
荀彧：「…郭嘉。あまりいびりすぎないようにな」
郭嘉：「荀彧、あなたは常にそうして間を取り持つようなことばかり…」
荀彧：「私の性格なのですよ。あなたのように戦線に向かうことは出来ません」
郭嘉：「…まぁ、今回は荀彧の顔に免じて、許すとしましょう」
曹操：「郭嘉。そう気を立てるな。俺にもこいつの力が必要なんだ、分かってくれ」
郭嘉：「殿がおっしゃるならば」
夏侯惇：「すまねぇな、荀彧。世話ばっかかけちまってよ」
荀彧：「いえ…話は聞きましたよ。戦場で女性を拾ってきたとか」
夏侯惇：「は？」
曹操：「すまん、夏侯惇。俺がしゃべった」
夏侯惇：「ちょ、俺はおまえにしゃべったつもりは…」
夏侯淵：「俺が話したんだ。あの人から大体の事情は聞いたよ」
夏侯惇：「あ、淵！？てんめ…」
曹操：「いや、戦ってばかりで女なんか目もくれないのかと思ってたけど、意外とやり手なんだな、おまえ？」
夏侯惇：「だぁっ、誤解だ、んなもん！！！」
荀彧：「まぁまぁ、そうムキにならずに。あなたが連れてきた方なら、お部屋でお待ちですよ」
夏侯惇：「おまえら、いい加減にしろ！まったく…」
夏侯淵：「…兄者。仕方ないだろ？兄者の撤退で、一時的にやばかったんだからさ」
夏侯惇：「分かったよ、もう…おまえの性格じゃ、何を言っても無駄だろうしな」
夏侯淵：「すまない、兄者」
曹操：「夏侯淵、郭嘉を呼んできてくれ。今後のことについて少し話す」
夏侯淵：「分かりました」
曹操：「荀彧もな」
荀彧：「殿の仰せのままに」
夏侯惇：「…お、おい、孟徳。俺は？」
曹操：「おまえは女性のケア、だろ？」
夏侯惇：「おいっ、そうじゃねぇだろ！？」
曹操：「まぁ、行ってこい。特別に出なくていいから」
夏侯惇：「余計なお世話だ！」
夏侯惇：「まったく、どいつもこいつも…なんなんでぇ」
張遼：「…おぉ、夏侯惇」
夏侯惇：「ん、あぁ、張遼の旦那か」
張遼：「なんだ、ずいぶんと機嫌が悪いな」
夏侯惇：「余計なお世話だ」
蔡文姫：「…惇兄？」
夏侯惇：「ん…なんだ、蔡文姫じゃねぇか」
蔡文姫：「どうしたの？眉間にぎゅうぅ～っ、てしわ寄せて」
夏侯惇：「俺のことはいいんだよ、別に」
張遼：「やれやれ、これでは何を言っても無駄だな」
蔡文姫：「そぉだね。じゃ、また後でね～」
夏侯惇：「おぅっ」
夏侯惇：（やれやれ、まったく…たまったもんじゃねぇなぁ、こりゃ…）
王異：「…？どうした？」
夏侯惇：「あ、いや…何でもないさ」
王異：「何でもないという顔ではないと思ったけど」
夏侯惇：「何でもないんだよ。それより、体の具合はどうだ？」
王異：「あ、はい…あそこで助けてもらわなかったら、危うく命を落とすところだった。感謝している」
夏侯惇：「なに、いいってことよ。別に俺は、おまえさんのためとかじゃねぇんだからよ」
王異：「…なんだか、つれない返事ね」
夏侯惇：「そ、そうか？」
王異：「でも、あなたらしいと思うわ。いいことだと思うわよ」
夏侯惇：「お、おぅ…な、何だか誉められると、照れくさいな」
王異：「じゃ、そういうところがそなたの悪いところだ」
夏侯惇：「お、おいおい、そりゃねぇだろ？」
王異：「…フフッ、クスクス…」
夏侯惇：「な、何笑ってんだ？」
王異：「いえ…何でもないわ」
夏侯惇：「…何だかなぁ…ま、いいか」
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