全ての真実は、虚無を取り除くことより生み出される

歴史物系統

自分としては珍しい歴史小説風な短編物。
〜以下本編〜
4      烏巣の断末魔 後書き
 自分にしては、すごくシリアスで、すごく重い内容な一本となりました、この「烏巣の断末魔」いかがでしたでしょうか?
 どうも、ヤマシです。これ書いてる頃は、多分大学が始まった頃なのかなぁ・・・と、自分の歴史をちょびっと書いてみたり(笑)
 
 さてさて、今回の烏巣の断末魔こと淳于瓊と曹操のお話ですが、単純に三国志大戦の淳于瓊の紹介文を見ていて話を思いつき、自分にしては珍しくさっさか書いていました。といっても、毎度同じように途中で投げて、一時書き忘れてたんですが(汗っ)
 ただ、テーマとしては捨てがたく、一応形にしておくだけでも価値があるんじゃないかと思い、こうして一つの作品として完成させてみたわけです。
 そのテーマというのが「曹操の人間性」という部分。曹孟徳という人間を一言で表すなら「覇道」、あるいは「天才」「奸雄」という感じでしょうか。何者にも屈せず、故に全てを自らの下に敷く。そんな生き方をする曹操の生き方は、他の人にはとても理解されない部分もあったと思います。
 ですが、彼はある意味で、我を殺し、覇道を突き進むために自らを演じているような部分があるように思い、加えて女や優れた人物に惚れやすいだけではなく、意外と反省していることも多い人間なんだなということもあります。要するに、成功も収めながら、失敗も見過ごさないという感じ。思ったより失敗したことが多いんですよね、彼は。
 しかも、その失敗というのも若い時期だけに限らず、晩年でもかなりやっています。しかしその中でも失敗を許されない場面ではしっかりと成功を収め、最終的に天下の三分の二を収めるに至ったわけです。
 
 この曹操の名誉を考える上で、意外と曹操は人間味のある人物じゃないのかな〜、という部分があると思います。関羽の千里行や、ホウ徳を仲間にした時など、意外と情に厚い部分も持ってます。何となく曹操のイメージからすると、こっちの方があえて情に訴え、いざとなったら助けてもらおうという(赤壁の戦いの時のように)魂胆があるんじゃないかなどと考えたりするかもしれませんが、意外とこうした情に任せるエピソードも多々持つので、本当は情に厚く、とても覇道を唱えるような人物ではないんじゃないかなと思いまして。
 中でも、今回書いた淳于瓊とのエピソードでは、耳と鼻を削ぎ落とした相手であろうと仲間に加えようとした曹操の考え方からして、とても情に厚く、優秀な士はとにかく手元に置いておきたいなどと考えていたのかもしれません。だからこそ、荀ケや郭嘉といった幕臣の力を大いに必要としたのかもしれませんから。本当は曹操自身「天才」のはずですからね。
 
 とまぁ、ずいぶん長くなってしまいましたが(汗っ)とにかく、今回はそんな曹操の「人間味」の部分をちょっと書いてみたかったな〜、てのを書いてみたものなので、一般的な曹操のイメージとは違うかもしれません。もっとも、最近の曹操は色々と壊れたイメージを抱かれているようですが(笑)
更新日時:
2006/04/11
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Last updated: 2006/4/11
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